安西水丸のイラストが表紙
特別お題「青春の一冊」 with P+D MAGAZINE
村上春樹が好きだった
いまも好きだけど、最近の作品はあまり面白いと思わないので、あまり思い入れはない。
ノーベル賞を受賞しようがどうしようがどうでもいい。
でも、かつて村上春樹の小説にひどくココロを動かされたことは確かなのである。
初めて読んだのが安西水丸のイラストがカバーになってた短編集「中国行のスロウ・ボート」。そのなかでも「最後の午後の芝生」がなぜかとても心に響いてきた。読んでいるうちに、主人公が嗅いだのと同じ草の匂いを感じた気がした。
ストーリーは淡々として、特にこれといった山場も無ければ手に汗握ったりするようなシーンも無いんだが、なぜかとても心に残った作品だった。
「村上春樹の最高傑作は?」と聞かれれば、「世界の終わりとハードボイルド・ワンダーランド」と答えるが、「一番好きな村上春樹の作品は?」と聞かれれば、この作品だと答えるだろうな。