私は金田一耕助のファンです
角川文庫版の横溝正史作品は全て読んでいるはず
中学生の頃だったか、角川書店がメディアミックス戦略を大々的に展開して一大ブームが巻き起こった「横溝正史」作品なのですが、当時友人に「面白いぞ」と進められて読んだのが「獄門島」で、これが面白すぎてすぐに次々作品を読み漁り、当時発売されていた角川文庫版の横溝正史作品は全て読んだと思う。
そんな「金田一作品ファン」のオレサマが、横溝作品が原作になった映画のロケが行われたとう場所に行って嬉しくないわけない。もっとも映画で金田一を演じたのがよれよれの袴姿ではない渥美清で、渥美清は素晴らしい役者だと思うんだが、やっぱりオレにとっての金田一は古谷一行であり(テレビシリーズね)、石坂浩二なのです。(犬神家の一族は素晴らしい)
まあ細かいことは気にせずに、行ったからには写真を撮りましょう。
映画の中で多治見家として使われた広兼邸。山の中腹に建てられ周囲を睥睨する威容は商家というか山城的な建物。
岡山は横溝正史御大が戦時中に東京から疎開してきていた土地で、戦後すぐにその疎開先で書かれ絶大なる評価を受けた本格推理小説「本陣殺人事件」でデビューしたのが、ご存知名探偵の金田一耕助なのです。
(個人的には角川文庫版の「本陣殺人事件」(中編)に収められた「車井戸はなぜ軋る」(短編)が横溝作品の中でも最上級に属する作品だと思うんだが、あまり評価されてないような。オレが知らんだけか)
現地に貼ってあったポスターの金田一は鹿賀丈史で、彼は「悪霊島」の名探偵役だったはずだけど、まあ同じ岡山モノということで気にしない。
映画の邸内場面はセットだったらしいので、実際に建物内での撮影はされていないらしい。でもいかにも豪商の屋敷っぽい古さがいい感じ。
山門というか望楼というか、入り口の門がすごすぎ。門の上部は門番の居住スペースだったらしい。
広兼邸以外にも足を伸ばしているのですが、それはまた別のお話。
今は表紙カバーが変わっていて、いっとき復刻版的なものも発売されていたけれど、角川文庫版はこんなおどろおどろしい表紙絵もまた素晴らしかった。かつてはすべて持ってたはずだけど、いつの間にかなくなってしまった。とても残念。
(アマゾンのリンクを引っ張ってきたけど、なぜは出版社が雄山閣出版になっている。専門書じゃないっちゅうの。探偵小説だっちゅうの。)